お知らせ
【解説】脆性材とは?
こんにちは、濾過精工株式会社です。
セラミック、ガラス、シリコン、鋳鉄など、様々な産業分野で活躍している脆性材。
半導体や電子部品などの精密機器には欠かせない材料です。
今回はそんな脆性材について解説していきます!
参考記事▶脆性材とは?特徴から脆性材スラッジの除去方法を解説
=========================================================
脆性材とは
その名の通り「脆い材料」の事を指します。製造業や工学分野で重要な役割を果たす材料の一種です。外力が加わるとほとんど塑性変形を起こさずに突然破壊する性質を持ちます。
■特徴
- 低い塑性変形能力:大きく変形する前に破壊が起きる。
- 力に対する性質 :圧縮力には強いが、引張力や衝撃には弱い。
- 破壊の急激性 :亀裂が急速に進展し、瞬時に破断する。
■主な脆性材
- セラミック:高硬度・耐熱性に優れるが衝撃に弱い
- ガラス :透明性・耐薬品性があるが割れやすい
- シリコン :電気特性に優れるが脆く割れやすい
- 鋳鉄 :強度、加工性は高いが延性が低い
それぞれの特徴を活かして様々な産業分野で利用されています。しかし脆い性質ゆえに。加工や使用の際は特別な配慮が必要となります。
=========================================================
脆性材と対をなす延性材
脆性材と対をなす材料として、「延性材」と呼ばれる物質もあります。延性材は外力を受けた際に大きく変形し、破断前に著しい塑性変形を示す材料です。力を受けてもすぐには壊れず、局所的に変形しながら徐々に破断します。
延性材に該当する物質は、下記のとおりです。
・ステンレス鋼
・アルミニウム
・プラスチック
・ゴム
高強度が求められる用途には脆性材、衝撃吸収性が必要な場合には延性材が適しています。ただし、多くの実用材料は両方の性質を併せ持つため、詳細な特性理解が重要です。
=========================================================
脆性材加工の課題
近年の技術進歩により、脆性材の切削・研削加工は可能となりましたが、依然として注意が必要です。
■加工時の主な課題
①急激な破壊のリスク
- 脆性材は塑性変形せず破断するため、加工時に精密な制御が求められる。
- 過度な力が加わると亀裂が急速に進展し、製品全体が破損する恐れあり。
②脆性材スラッジによる影響
- 硬く鋭利なマイクロ粒子のスラッジにより、工具表面を傷つけて工具寿命が短くなる。
- スラッジが加工面に入り込み、表面粗さの増加や寸法精度の悪化を招く。
- スラッジがクーラント中に混入・蓄積することで、クーラント液が劣化し、冷却・潤滑性能が低下。
- ポンプやバルブなどの配管系にスラッジが詰まり、機械故障の原因となる。
こういった課題への対策として、適切なクーラントシステムろ過システムの導入が必要不可欠です。
また定期的なメンテナンスや適切な加工パラメータの設定も、脆性材加工の成功には欠かせません。
=========================================================
脆性材スラッジによる悪影響
脆性材の切削・研削加工時に発生するスラッジは、非常に硬く鋭利で、マイクロサイズの粒子として発生するため、製造プロセス全体に様々な影響を及ぼす可能性があります。
主な悪影響として、以下3点が挙げられます。
①加工精度と製品品質の低下
- スラッジが工具と加工物の間に入り込み、表面粗さの増加や寸法精度の悪化を招く。
- 高精度が求められる加工において、スラッジ混入は最終製品の品質低下につながる。
②工具寿命の短縮、生産性低下
- 脆性材スラッジにより工具が著しく摩耗し、寿命が短縮され、頻繁な工具交換が必要となる。
- 工具交換頻度の増加で、生産性低下とコスト増加につながり、製造プロセス全体の効率を低下する。
③機械設備性能低下とダウンタイムの増加
- スラッジがポンプやバルブに詰まり、故障や性能低下を引き起こすことで、予期せぬダウンタイムの原因となる。
- クーラント液の性能が落ちることで、機械設備全体の運転効率が悪化し、生産性に影響を及ぼす。
=========================================================
脆性材スラッジの除去にはクーラントろ過装置
クーラントろ過装置を導入することで、スラッジを効率よく除去でき、加工精度の維持や設備の負担軽減、ランニングコストの削減が期待できます。定期的なメンテナンスと併用することで、より高い効果が得られます。
■ カートリッジフィルター
- 細かいスラッジ(10μ以下)の除去に適したろ過装置で、二次処理としても有効。目詰まりによる連続運転の難しさがあるため、逆洗浄機能付きが推奨されます。
■ 遠心分離機
- 遠心力でスラッジを分離・回収する装置で、消耗品不要。超硬や鋳物などの粗くて大量のスラッジろ過に適する一方で、微細スラッジ(10μ以下)には対応不可です。
=========================================================
クーラントろ過でお悩みの方は濾過精工へ
・どのようなろ過装置を選定すればいいかわからない…
・クーラントに微細なスラッジが混ざってしまい、精度が出ない…
・切削・研削時の工具寿命を伸ばしたい…
・クーラント液がすぐ汚れてしまい、メンテナンスが大変…
こうした課題は「精密濾過」を導入することで、大幅に改善できるケースが多くあります。
弊社では、長年の実績と独自技術を活かし、さまざまな加工現場に合ったクーラントろ過装置を提案しています。
①精密濾過の強み
- 弊社のろ過技術は、超微細なスラッジまでも効果的に除去できる点が大きな特長です。
- クーラント液を常にクリーンに保つことで、製品品質や工具寿命、工作機械の保全にも良い影響があります。
②クーラントの長寿命化
- クーラント液の交換回数を削減することで、ランニングコストを大幅に低減。
- 廃液処理費の削減にもつながり、環境負荷を抑えることができます。
③加工不良の低減
- クリーンなクーラント液を安定的に供給することで、スクラッチや工具摩耗による加工不良発生を抑え、製品の品質向上が期待できます。
④消耗品削減
- 濾材やフィルター交換の手間・コストを最小限に抑えられる「逆洗浄技術」を使用した独自のろ過システムも展開。
- メンテナンス負担の軽減をサポートします。
=========================================================
まずはお気軽にご相談ください
クーラントろ過装置でお悩みの方、または「精密濾過」「クーラントの長寿命化」「加工不良の低減」「消耗品削減」に興味のある方は、ぜひ一度、弊社・濾過精工までお問い合わせください。
お客さま一人ひとりの加工環境やニーズに合わせ、最適なクーラントろ過装置やシステムを提案させていただきます。
記事をご覧いただいた後、ぜひ弊社公式サイトやお問合せフォームをご活用ください。
参考記事▶脆性材とは?特徴から脆性材スラッジの除去方法を解説